読売新聞の日曜版「名言巡礼」に大本山永平寺が取材されました。2ページにわたる特集記事です。まず、目を引くのは大佛寺山から写したと思われる、御本山の七堂伽藍が紅葉に抱かれた素晴らしい写真です。紅葉の美しさと寒い日の朝霧に包まれた幻想的な写真は、規模も厳しさも世界一といわれる修行道場を見事に写し出しています。「食事作りも修行の機会」タイトルから、御本山の食事をつかさどる大庫院様の取材です。
「食事を作るには、必ず仏道を求めるその心を働かせて、季節に従って、春夏秋冬の折々の材料を用い、食事に変化を加え、修行僧達が気持ちよく食べられ、身も心も安楽になるように心がけねばならない」本文より、、、7百数十年守り続けている御本山の食事作法に現代の私たちが教えられ続けています。
弊社も取材をしていただきました。2面に紹介されています。弊社は大庫院と呼ばれるお台所に120年にわたりお出入りを許され、昆布の御用をいただいております。大庫院の総責任者、三好良久典座御老師が大きく取材されています。改めて御用商としての重い責任を痛感しながら、取材記事を読ませていただきました。
弊社3階エレベーターホールの床に掛けられている掛軸。ちょうど大本山永平寺の元典座御老師、故佐藤一彰御老師からいただいたものが掛かっています。かれこれ20年近く前になると思います。山形県ご出身の佐藤御老師からは、沢山の書画をいただきました。その中でも「真味是淡」というお好きな言葉にまつわる墨跡をいただき、表具したものを掛けさせていただいています。「座禅する僧の調理は静と動 瞳も康らぎて真味是淡」。酬徳奥井海生堂と為書きまで入れていただきました。この時期によく掛けさせていただいています。