弊社は創業明治4年(1871年)。以来、本年で無事140周年の節目の年を迎える事ができました。
今年3月には、東日本大震災が発生。多くの方々がお亡くなりになりました。
ご冥福を慎んでお祈り致します。重ねて、被災されましたみなさまに心から、お見舞い申し上げます。一日も早い復興をお祈り申し上げます。
北海道と京、大阪を結ぶ北前交易の中継地として、古来より栄えた敦賀港に荷揚げされる多くの北海道産昆布に奥井半吾が手を染めて以来140年。廃藩置県の行われた年に禄を失う士族であった初代の創業です。
明治、大正、昭和、平成と商いも、それぞれの時代とともに浮き沈みのある、文字どおり激動の時代であったと思います。
明治中期、大本山永平寺様の御用昆布所として、お出入りを許されるようになってからは、経営も少し安定してまいりました。大正、昭和の初めには時の美食家、北大路魯山人様や京都の料亭様の御贔屓を頂き、順調に稼業をのばし現在の礎ができあがりました。
昭和の先の大戦では商業港として栄えていた敦賀港は、日本海側では真っ先に空襲を受け、本店、昆布蔵、資材倉庫等すべてが灰塵に帰しました。申すまでもなく裸からの辛苦の再出発であったようでございます。この度の東日本大震災では多くの老舗の御商家の方々が被災されました。心中に深く期する思いが込み上げ、復興をお祈りするばかりです。
節目の年。これまでの感謝の気持ちを小宴に託し御贔屓のお客様をご招待し、色々と行事の計画を練っておりましたが、この度の大震災を目の当たりにし、すべてを中止する事と致しました。準備しました予算はすべて義援金として寄付させて頂きました。
この大震災の年に140周年を迎えました弊社は、被災されました方々の一日も早い復興をお祈りし、これからも弊社なりの支援を考えていきたいと思います。そして皆様と共に次の10年、150周年を目指し頑張っていく所存です。
今日までの御贔屓、衷心より御礼申し上げます。これからも変わりませず、弊社への御贔屓を伏してお願い申し上げ、創業140周年を迎えての御挨拶とさせていただきます。