昆布の種類は大きく4種類に分かれます。
北海道の四辺の大きな岬を中心に、それぞれの地方で種類が違う昆布が自然と育ちます。
北から宗谷岬の利尻昆布。知床半島の羅臼昆布。えりも岬の日高昆布。道南、恵山岬の山だし昆布という様に、昔から収穫される昆布はその土地、地域で異なります。
大きな潮のぶつかり合う大きな岬には栄養分が豊富で、それぞれの昆布も大きく育ちます。そして全て昆布はその収穫浜名、地名で流通します。
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利尻昆布 |
北海道の最北端、宗谷岬を中心に収穫される昆布です。 稚内方面、つまり北海道本島で収穫される昆布を地方(じかた)と呼び、利尻島、礼文島で収穫される昆布を島物(しまもの)と呼びます。島で収穫される昆布は収穫量も少なく、大変貴重なものになります。その多くは御本山のお台所や京都の有名懐石料亭で使われております。
島物の代表浜に香深浜、船泊浜、沓形浜、仙法志浜などがあります。これらの浜は、汐の流れ、水温、陽ざし、流れ込む河川の条件、そして良い干し場など、すべての自然環境に恵まれています。
そこで収穫された良質な利尻昆布を、弊舗ではさらに一年か二年じっくりと蔵で熟成させた「蔵囲物」としてお届けしています。
利尻昆布はくせのない透明で上品なだしが取れることから、椀物用の一番だしに最適とされ、懐石料理や精進料理には欠かせないだし昆布として重宝されています。ある料亭では、翌日お迎えするお客様の人数分を前夜、応量の水に浸しておき、調理をする前に昆布を取り出し火にかけるという、「水だし」の方法で、精緻なまでのだしをひくといいます。
また、従来のだしのひき方としては、昆布と水を鍋に入れ、沸騰直前まで加熱したらすぐに昆布を取り出すという方法が一般的でしたが、近年の研究では、60℃の湯で1時間煮出す事で、昆布のうま味がもっともひきだされるという結果が報告されています。
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羅臼昆布 |
羅臼を中心とした知床半島沿岸で採取される昆布です。 色は褐色、葉は大柄で薄く、昆布の中では一番大きく育ちます。だしは独特の濃いコクがあります。
表皮の色によって黒口と赤口に区別されます。
醤油や味噌の香りにも負けない深い味わいはもちろん、煮昆布や炊き合わせなどの素材としても柔らかく、しっとりとした口当たりが楽しめます。だしに、煮物にと、どのようなお料理にでも活躍する昆布です。
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日高昆布 |
えりも岬を中心に収穫される昆布で、特上浜、上浜、中浜、並浜と浜別に格付けされ、さらにABCと浜格差を細評しています。
弊舗では特上浜の井寒台浜、または、上浜では近笛、冬島、平宇浜、歌別浜の各高級銘柄の一等検昆布のみを集めました。
繊維質が柔らかく肉厚で、煮上がりの早いのが特徴です。季節の野菜との炊き合わせ、干魚や根菜又肉などを軸に巻いて調理する昆布巻などの惣菜や佃煮など、さまざまな昆布料理で食卓を彩ることができます。
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山だし昆布(真昆布) |
函館から南茅部にかけて、本場折、黒口元揃、白口元揃と高級真昆布の収穫浜が続きます。
山出し昆布の名の由来として、「かつてこの地方の昆布が川汲峠を越えて集散地函館へ出荷されていたから」「だしが山のようにとれるから」…など諸説があります。
今では高級昆布の代名詞。なかでも白口元揃昆布が最高級品とされています。献上昆布の栄に浴す尾札部浜産一等検昆布を始め、川汲浜、臼尻浜産と収穫浜を限定し、厳選された昆布をお届けします。
だしをひいた後も、塩昆布や煮昆布としておいしく召し上がれます。また、そのまま召し上がっていただくと、その風味の違いに気づかれるかと存じます。大阪を中心に関西で炊かれる煮昆布(塩昆布)はこの山だし昆布で作られます。
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