蔵囲昆布

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利尻島・礼文島視察報告書

記録者 岡田健文
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平成27年7月1日より3日間、社長、中川課長と共に稚内、礼文、利尻島を視察訪問してきましたので以下に報告いたします。

初日

小松空港から羽田を経由。稚内空港に12時20分着。
空港に取引先部長が出迎えてくださった。 移動中のお話では今年の昆布は生育は今後の天候しだいではあるものの期待できるとのこと。昼食時に取引先社長と挨拶。 お昼をご馳走になった後、倉庫を見学させていただく。

 
取引先の倉庫の一角に弊社の昆布倉庫がしつらえてあった。
壁面、天井、床面すべてに筵が張り付けてあり驚かされた。
気候がいいので空調も必要ないとのことであった。


 
 
 
再び取引先の部長に稚内港へ送っていただき、3時30分のフェリーにて礼文島へ。
5時25分香深港着。この日はそのままホテルにチェックインし香深漁協の海鮮処かふかにて夕食をご馳走になる。 当日、取引先専務と販売部長、販売員に同席していただいた。取引先社長はお店には居られたが大変込み合っているということで同席はされず残念であった。 ここでのお話では礼文島の状況は昨年ほどではないものの、昆布の量はあるとのこと。海水温も今のところは低い状態で安定している。 ただ、身入りはやはり今後の天候しだいということで、また漁にしても天候不順が続いて猟期が遅れるとと、せっかく育った昆布も枯れ上がってしまうとのこと。 昨年は8月前半までぐずついた天候が続き、漁がなかったこともあり今年も不安要素ではある。
 

2日目。


取引先の社長の運転にて漁協へ。 途中組合長がホッケの水揚げをされている現場を見学する。現場ではホッケを網からはずす作業をしておられた。
   
 
  
 
漁協では漁協専務、参事、課長と挨拶。
専務が話されるには、近頃、海水温の上昇もそうであるが、海水そのものの養分が少なくなってきていることで昆布の成長に影響しているのではないかとのこと。 昔は魚の煮汁やうにの殻等海中へ投棄していたのが、現在では厳しく規制されているために昆布に力強さがなくなってきているようだとのことである。
昨年も感じたことであるが、手付かずの自然にまかせるのではなく、人の営みが組み込まれた里山(海)的な環境保全を考えなくてはいけないのではと感じる。
また、魚臭のきつい昆布について、漁師さんが昆布にかけるシートを棒ダラと共用していたためであるとのこと。 かなり強く注意していただいたとのことで、昨年収獲の昆布からはなくなっているはずです。とのことであった。

昼前に香深へ戻り漁協へ挨拶。お昼をご馳走になる。
 
 
その後漁師さんの作業小屋へあいさつ。
作業はしておられなかったが、中には養殖昆布が詰まれていた。
 
これだけの昆布を仕立てるのは大変な作業になるだろうと感じる。
改めて昆布を大事に扱わねばならないと思った。 今年も昨年ほどではないが量はあるだろうとのこと。 ただ、天候の状況で猟期が遅れると先から枯れ上がったり虫がついたりして1,2等の量も減ってしまうとのことであった。 また、作業小屋に隣接して昆布の乾燥小屋があり、ちょうど養殖昆布を運び込んでいるところであったので見学させてもらう。
 
手作業で何段にも積み重ねてゆく。
手際よく作業されていた。

 
ボイラーの吹き出し口か
 
別の支所を訪問。こちらの天然昆布の漁は20日からとの事。
利尻島では一番遅い漁だが、昆布漁は四単協の中では一番多く、一年生の株が多い。来年も収穫量が多くなるだろうとの事。
 
堀内さんの作業小屋を失礼して和泉組合長宅へ挨拶。 気さくな漁師さんといった感じの方であった。
 
 
奮部地区の様子(堀内さん作業小屋前から)

この後利尻島へ渡る予定であったが、少し時間があったので北のカナリアパークと元地地区へ
 
 元地の様子
 
 
東側と比較してかなり険しいがけが海岸線まで迫り、急深な海底が想像される。 こちらで育つ昆布も東側と比較すると幾分小ぶりになるらしい。その後ホテルにて取引先の社長に車をお返しし、4時5分発のフェリーにて鴛泊港へ。
 
港では取引先の支所の課長と販売部長が出迎えてくださった。 当日は地元の祭りということで休業であり、専務理事も出張中ということであったので直接沓形にある民宿へ案内いただいた。
夜は支所長と課長と弊社3名での会食となった。
 
3日目

支所長の案内で各支所挨拶回り
 
 
沓形支所。

支所長と事業課長に対応いただいた。沓形では10日から天然昆布の漁が始まるとのこと。 少しでも1,2等昆布を分けていただけるよう御願い。
 
 
仙法志支所。

こちらは天然昆布漁は少し遅く20日からとのこと。 4地区の中では最も量があり、利尻漁協は仙法志の昆布が主体になってくるのではないかとのこと。 絶対量は少なめであるが、1年生株は多くあり来年はかなり期待できるとのことであった。
 
 
仙法志崎からの仙法志地区の様子

途中、漁協の売店やお店を見学する。最近は中国、台湾系の観光客がふえて纏め買いが多いとのことであった。
 
 
鬼脇支所

昨年もお世話になった副組合長と支所長、理事に対応いただいた。
 
状況としては水温は低めで安定しているものの、量的には若干少なめで身入りも遅れているらしい。 昨年12月から1月にかけての大時化で岬の東側の被害が大きかったとのこと。ただ、今年は昆布漁に力を入れてくる漁師が増えそうだとのことで(うに、ホッケの漁が思わしくないとのこと)そういう観点からは期待できそうである。やはり猟期が遅れると虫がついたりするため、早めに採ってしまいたいということはおっしゃっておられた。
   
   
最後の取引先に立ち寄り挨拶。
時間が押してきていたこともあり早々に失礼し利尻空港へ。支所長に丁重に御礼を申しあげお別れする。2時30分の飛行機にて千歳空港へ。札幌の大丸札幌店地下フロアーのお店を見学。 翌日に本店を見学。 
 
 
総括

今年度の状況としては概ね量はあるものの身入りが遅れているといった印象をうけた。これからの天候を願わずにはいられない。この先温暖化に伴い海水温の上昇など気候が変動していく中で、いかにして島の環境を保全するかということも課題になってくるのではと感じた。
また、漁師さんや組合職員の方々の苦労を肝に銘じ、昆布をより一層大切に扱い、販売していきたいと思う。海生堂の業務を通じて昆布はもちろん、礼文、利尻島のことも多くの人にアピールできればと思う。

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