昆布と食文化

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奥井海生堂について ご寄稿文



作り手の人柄をうつして 料理研究家 松本 忠子 様

料理と深くかかわりを持つようになったのは結婚と同時、三人の子供にも恵まれました。子供がおなかにいる時はへその緒で結ばれているものの、生まれてからは母の手で作る食が命の源と、日々の食卓作りに励んだものです。その中で最もこだわってきたことのひとつに味の土台である昆布があります。汁物、煮物、炊きこみご飯のときにもだし昆布を使ってだし汁をとります。この一手間はおいしい料理を作ろうという意欲や気持ちの余裕につながります。品格のある旨味とこはく色のだし汁は、わが家のお惣菜作りに欠かすわけにはいきません。
 どのような分野においても人がかかわっていると、その人柄が作るものにうつし込まれると思います。十有余年前、知人にさそわれて「奥井海生堂」の昆布蔵に初めて足を踏み入れた時の感動は表現しがたいものがありました。蔵いっぱいに満ちている柔らかい香気、芸術的ともいえる昆布の黒い束、百聞は一見にしかずとはこのことと納得でした。収穫時に条件のいい昆布を入手し、わらの布団を着せてほこり、風光から保護し、愛情をたっぷりかけて、数年囲い、自然の力で熟成させ、単に磯の香りだけではない良質の昆布に育てあげているのです。以後、作り手と使い手として長いおつきあいが続いています。  時代の波に逆らってもよいものを守り続ける「奥井海生堂」の昆布は、これからもわが家の食卓に健康をもたらしてくれると思います。


      松本 忠子 様
  お    礼
  お料理の松本忠子先生には、公私にわたりご指導を賜っています。テレビのお料理番組の収録の時や、雑誌の撮影、取材の時には必ず御注文を頂きます。御中元、御歳暮にも毎年先様のご様子を見られて、きめの細かい御注文を頂きます。
お親しい方々に、暮れ、先生は「お節」をお作りになられ、お配りされています。お待ちになられる方々に御好評の昆布巻きの昆布にいつも、井寒台浜の日高昆布の御注文を頂きます。又、弊社の古い蔵囲昆布の品評も時々して頂いています。最近では先生の近著『海味(うみ)しょうゆ』(文化出版局刊)で、究極の便利調味料として、干し貝柱と羅臼昆布の角切昆布を使った、ご家庭で簡単に作れる調味料をご紹介頂きました。常に乾物である昆布を簡単レシピでご紹介頂く、先生のお料理を弊社では従業員共々、楽しみにしています。
先生が顧問をされている、大阪『大和屋』様各店での昆布のご贔屓を始め、ご親戚がオーナーである恵比寿ガーデンプレイス内、レストラン『ジョエル・ロブション』でも昆布のご贔屓を頂いております。ご講演の折には、弊社の昆布のご紹介をして頂く、松本忠子先生には御礼の申し上げようが御座いません。
今回、先生のエッセイをホームページに掲載させて頂きました。文化出版局の雑誌『ミセス』の平成13年の2月号「松本忠子さんの北陸美味紀行」に掲載されたものです。先生から掲載に関しお許しを頂き、又、ミセス編集部様からも快く御了解を頂きました。衷心より御礼申し上げます。                                            
 奥井 隆         .

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